高齢女性が銀行協会職員を名乗る詐欺師に騙されそうになるも詐欺を見破り警察に通報、受け子を逮捕。

投稿者: | 2020年2月14日

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東京町田市の73歳の女性が詐欺グループにキャッシュカードをだまし取られそうになったところ、娘と共に詐欺を見破って取り押さえたとのニュースがありました。

 東京・町田市の73歳の女性からキャッシュカードをだまし取ろうとしたとして、詐欺グループの23歳の女が逮捕されました。女性の長女が詐欺を見破り、親子で女を取り押さえたということです。

 詐欺未遂の疑いで逮捕されたのは、住所不定・無職の藤川明優容疑者(23)で、12日、町田市に住む73歳の女性に全国銀行協会の職員などを装いウソの電話をかけ、キャッシュカード2枚をだまし取ろうとした疑いがもたれています。

 警視庁によりますと、女性から相談を受けた長女(42)が不審に思い、自宅を訪れた藤川容疑者を問い詰めたところ、逃げようとしたため親子で取り押さえ、110番通報したということです。
TBS NEWS

気付いたのは詐欺に遭いそうになった高齢女性の長女、詐欺を見破り逮捕に繋げたとは実に見事です。
他のニュースサイトの記事によれば、全国銀行協会の職員を名乗った犯人が提示してきた身分証がペラペラの紙質で、怪しいと感じたそうです。

逮捕されたのは「受け子」

逮捕されたのは詐欺グループでターゲットと実際に接触する「受け子」と呼ばれる末端のポジションの人物です。
「出し子」とも呼ばれます。

受け子の募集

受け子・出し子は主にSNS等インターネットを通して募集されています。
大手SNSのTwitterで「闇バイト」「受け子」「出し子」「高収入」などのキーワードで検索すると沢山ヒットし「月200万円以上」「絶対に捕まりません」などの誘い文句で募集されています。
ターゲット(被害者)と直接接触したり現金の出し入れをおこなうのは最も警察に捕まる可能性の高い役割ですから、名前も顔もわからない他人を捨て駒として利用するというわけです。
ただターゲットから騙し取ったお金の持ち逃げ等を防ぐために応募した受け子側は身分証の提示を要求されたりすることもあるようです。

受け子の仕事

仕事内容としては、詐欺グループがアポを取ったターゲットの元へ赴き、キャッシュカードを受け取って偽物とすり替え、被害者に気付かれる前に現金を引き出したり送金を行います。
指示は「テレグラム」や「シグナル」といった、機密性の高いコミュニケーションツールを用いておこなわれているようです。
セキュリティの高いツールは便利な反面、犯罪に利用されると捜査が困難になってしまうので考え物ですね。

詐欺は無くならない

詐欺の犯人を捕まえても末端の受け子である場合が殆どなので元を断つことはできません。
それに例えグループの主要メンバーを捕まえたところで、模倣が比較的容易なことからまた別の人間が中心となって活動が再開されることでしょう。

詐欺被害をなくす方法としては「犯人を捕まえること」よりも「全員が騙されないようにする」ほうが現実的だと思います。

身近な人だけでも守れるように

せめて自分の親類や知人だけでも守れるよう、普段の会話の中で詐欺への注意を促すと良いでしょう。
それが本記事で取り上げたニュースのように、受け子の逮捕に繋がっていくかも知れません。

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