2020年7月1日よりスタートしたレジ袋有料化についての所感。各店舗の価格設定など。

投稿者: | 2020年7月3日

目次

容器包装リサイクル法の省令改正により2020年7月1日から全国の商店でレジ袋の有料化が義務付けられました。
イオン・マックスバリュ等の一部の会社はかれこれ10年以上前から自主的にレジ袋の無料配布をやめて有料化をおこなってきていましたが、今回の省令改正により全ての商店で有料化は義務となりました。※但し例外となる業種や、有料化の対象外となる袋もあります。(後述)

レジ袋有料化の制度概要

※詳しくは経済産業省のウェブサイトに記載があります。

レジ袋有料化の目的

プラスチックは、非常に便利な素材です。成形しやすく、軽くて丈夫で密閉性も高いため、製品の軽量化や食品ロスの削減など、あらゆる分野で私たちの生活に貢献しています。一方で、廃棄物・資源制約、海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化などの課題もあります。私たちは、プラスチックの過剰な使用を抑制し、賢く利用していく必要があります。

このような状況を踏まえ、令和2年7月1日より、全国でプラスチック製買物袋の有料化を行うこととなりました。これは、普段何気なくもらっているレジ袋を有料化することで、それが本当に必要かを考えていただき、私たちのライフスタイルを見直すきっかけとすることを目的としています。経済産業省

レジ袋有料化の対象

◆対象となる事業者
プラスチック製買物袋を扱う小売業を営む全ての事業者が対象です。
主な業種が小売業ではない事業者(製造業やサービス業)であっても、事業の一部として小売業を行っている場合は有料化の対象となります。
クリーニング屋などは対象外。(商品を売るわけではなく預かったものを返しているだけなので)

◆対象となるレジ袋
購入した商品を持ち運ぶ目的で使用する持ち手のついたプラスチック製の袋が対象です。
持ち手がついていない袋(スーパーの袋詰め用の台に置かれたロール袋等)は対象外。
暑さ50マイクロメートル以上のものは繰り返し利用が可能なため対象外。
海洋生分解性プラスチックの配合率が100%のものは海洋プラスチックごみ問題対策に寄与するため対象外。
バイオマス素材の配合率が25%以上のものは地球温暖化対策に寄与するため対象外。
他に紙製・布製などプラスチックでない袋は当然に対象外です。

◆対象となったレジ袋の価格
対象事業者は対象となるレジ袋について1円以上の価格設定をしなければなりません。
有料化したレジ袋の売上金をどう使うかは事業者の自由です。

レジ袋有料化は事業者には増収・消費者には負担増

これまでレジ袋に関する経費は事業者側が負担していたわけですが、サービス精神でレジ袋をタダで配っていたわけではありません。
通常それらの経費は商品価格に反映されていますので、明確にレジ袋代と示されていなくても商品代金に含まれているため、消費者がレジ袋も買っていたものと考えられます。
もともと商品代金に内包されていたであろうレジ袋代をさらに追加で徴収する法律ですから、事業者にとっては何もないところから収益が生まれた状態であり、消費者にとっては単なる値上げでしかありません。

それを踏まえて各事業者がレジ袋有料化義務付けに際してどのような動きをしているか、ヤフーニュースにまとまっていた記事があったので紹介します。

各事業者のレジ袋有料化対応状況

●コンビニ
・セブンイレブン
小、中、大、弁当用の4サイズが3円。特大サイズ5円。

・ローソン
S、L、弁当用サイズが一律3円。

・ファミリーマート
全4種類が一律3円。

●スーパー、食品
・イトーヨーカドー
食料品レジ袋Mサイズが3円、Lサイズが5円。衣料用・住まいの品ポリ袋S・Mサイズ、衣料用ポリ袋S・Mサイズが各3円。ポリ袋L~LLサイズ、衣料用ポリ袋L~LLサイズが各5円ほか。紙袋は一律10円。

・西友
食品用、お花用は各5円。弁当用・お刺身用、衣料用、住居用は各2円から。紙袋は20円から。

・イオン
食品ポリ袋Lサイズ3円、雑貨ポリ袋Mサイズ2円、衣料専用ポリ袋・衣料雑貨ポリ袋LLサイズ5円ほか。紙袋は一律10円。

・カルディ
プラスチック製レジ袋は終了。
紙袋のみで、S、M、Lサイズ、ワイン用の4サイズが一律15円。

・業務スーパー
小サイズ3円、大サイズ5円。

●100円ショップ、300円ショップ
・ダイソー
Sサイズ2円、Mサイズ4円、Lサイズ7円。

・セリア
小サイズ3円、大サイズ5円。

・キャンドゥ
Sサイズ2円、Mサイズ4円、Lサイズ7円。

・3COINS
全5サイズが一律3円。

●外食
・マクドナルド
バイオマス素材の配合率が25%以上のレジ袋のため有料化の対象外。無料。

・モスバーガー
持ち帰り用手さげ袋は紙バッグのため有料化の対象外。無料。

・ロッテリア
植物性由来のバイオマスプラスチック配合したテイクアウト用レジ袋を導入のため有料化の対象外。無料。

・ケンタッキー
バイオマス素材を30%配合した新しいレジ袋を導入のため有料化の対象外。無料。

●雑貨、インテリア、アパレル
・ユニクロ
プラスチック製ショッピングバッグは廃止。2020年内に紙袋を有料化予定。

・GU
プラスチック製ショッピングバッグは廃止。2020年内に紙袋を有料化予定。

・無印良品
プラスチック製ショッピングバッグは廃止。紙袋は無料。
再生ポリプロピレンバッグは小・中・大サイズが一律150円。不要になった際は無印良品のどの店舗でも持って行けば返金してもらえる。

・ニトリ
Mサイズ、Lサイズ各5円。
オリジナルマイバッグはSサイズ90円、Mサイズ136円、Lサイズ181円。

・カインズ
中サイズ2円、大サイズ3円、特大サイズ5円。

・ナチュラルキッチン
Sサイズ2円、Mサイズ5円、Lサイズ10円。

●ドラッグストア
・ツルハドラッグ
S、Mサイズ各2円、L、LLサイズ各4円、XLサイズ9円。

・スギ薬局
SSサイズ2円、Sサイズ3円、Lサイズ5円。

・マツモトキヨシ
小サイズ3円、中サイズ6~7円(色によって違う)、特大サイズ10円。

・ウエルシア
中サイズ2円、大サイズ5円。

・ココカラファイン
30号サイズ3円、60号サイズ5円、特大サイズ10円。

※掲載された値段は取材時のものですhttps://news.yahoo.co.jp/articles/c734ecc55c0003f20915e8a2cad0cc9de6b229ff

有料化対象外のレジ袋を利用している事業者は良心的にみえる

この制度での各事業者の対応状況によって、制度に乗じて増収を狙っているか、消費者の負担を増やさないように考えているかの姿勢がなんとなくわかってきます。
マクドナルド、モスバーガー、ロッテリア、ケンタッキー等の外食産業ではバイオマス25%以上の袋を利用しているため、無料配布を継続し、消費者負担は変わりません。
無印良品は無料で紙袋を提供し、有料の袋は返せば返金されるということで実質的には有料レンタルのようです。

ただこれらの対応の結果、コストの増加があればいずれ商品価格に反映されると思われますので消費者に優しいと思えるのも一時的なものかも知れませんね。

レジ袋は「本当に必要か?」筆者が感じたこと

経済産業省が「レジ袋が本当に必要か考えていただく」と発表しているので、筆者も試しにレジ袋を使わない生活にチャレンジしてみました。

勤務先の近くにある某コンビニへ弁当を買いに行ったところ1枚3円と説明され、袋は買わず、温めて貰った弁当を背負っていたリュックに突っ込んで店を出ました。
持ち運びに関しては全く問題ありませんでしたが、捨てるときが少し不便でした。
開封前のサンドイッチやおにぎりをマイバッグに入れておくことはできても、マイバッグはゴミ袋ではないので開封後の海苔やパンの欠片が残った包装ビニールを直接マイバッグに入れるのは抵抗があります、というか、汚れるので入れません。
また、通勤途中だったためリュックを背負っていましたが、常にリュックやカバンを持っているとも限らず。
元よりジュース1本だけだとか、その場で食べるファストフードなんかを購入した際は「袋は要りません」と断っていたため、省令改正がされる前から必要なときしか袋を貰っていなかったのですよね。

必要なときは必要だし、不要なときは不要です。
必要なときに袋購入のための店員さんとのやり取りと出費が増えただけでした。

悪いほうに合わせられる理不尽さ

レジ袋有料化は環境保全のためという話ですが、有料にしたからといって消費量が減るなんてことは無さそうです。
不法投棄など正しく活用されずに捨てられている無駄なものを減らせばいい話であり、有効活用している人の負担を増やす意味がわかりませんね(;^ω^)

Twitterでこのような投稿が注目を浴びていましたが、まさにその通り。

ゲームや漫画でラスボス的な悪役が「人間は私欲のために殺し合ったり環境破壊する害悪だから世界のために駆除する!」なんつって人類を滅ぼそうとするストーリー展開がありますが、まさにそんな構図です。
我々国民には「時に失敗や過ちを繰り返しながらも、正しく生きようと努力しているんだー!」と立ち向かう主人公的な対応を求められているのかも知れません。