水で乾杯は有り?居酒屋で必ずドリンクオーダーする暗黙ルールは肯定派が多数?弁護士の見解も。

投稿者: | 2020年2月22日

目次

1月中旬頃、Twitterでとあるユーザーから「二次会では全員水で乾杯した」と言ってグラスを合わせる写真付きのツイートが投稿され、そのリプライ欄では大きな議論が交わされました。
居酒屋でドリンクオーダーするのはマナーだとか注文する側の自由だとかの話ですが、これについて弁護士ドットコムさんの記事がヤフーニュースで紹介されていました。

居酒屋に行き、飲み物は全員水を頼んだーー。水が入ったグラスで乾杯する写真と共につぶやかれたツイートが今年1月、賛否両論を呼びました。

このツイートに対して、「有料の飲みものを頼まないといけないルールはない」、「店側が断らなかったのだから」、「別に良くね?」という声もあれば、「居酒屋行くなよ」、「非常識だと思います」と反発する意見もみられました。

今回のように「飲食店で水だけ頼む」は、度々ネットで話題となります。
Yahooニュース・弁護士ドットコム

契約上の問題

お店が提供しているメニューの中から何を注文するかはお客の自由です。
ただ、お店がお客に対してドリンクオーダーを義務付けることも法的に許されており、ドリンクを注文しない客に退店を要求することも許されます。
お店の退店要求にお客が応じなければ、不退去罪や威力業務妨害罪が適用される可能性があるとのこと。
ドリンクオーダーの義務付けはメニューに提示しても良いし、入店後に口頭で伝えても構いません。
お客側としてはお店のシステムが気に入らなければ退店すればよいだけの話です。

お店がお客に対して何も条件を付していなければ水だけ頼むのもOKなのか?となると、キャバクラ等でアイス(氷)や500ml程度のお茶などに1000円とかの価格設定がされているように、お店のさじ加減で「水を有料にする」という手段も取れます。

法律上は、当事者の合意の上で取引がおこなわれているかどうかが重要な点です。
メニュー等でドリンクオーダー義務付けをしているお店であればそれに従えばいいだけの話ですからね。

暗黙のマナー

この論争では飲み屋でのマナー、つまり暗黙のルールも争点になっています。
ネット上では「ドリンクを頼まずに食事だけする客」に対して賛否両論が見られます。

肯定意見の一部を抜粋

水でいいなら、何で居酒屋へ行くんだろう?マナーとして最低限ソフトドリンクくらいは頼むべきじゃ?

居酒屋と書いてあるんだからお酒を飲む所でしょ!!
水で乾杯とか、恥ずかしいしセコイよりも可哀想に成るよ!!

店には店としてのモラルが問われるの同様に客にも客としてのモラルってものがある。これは人としての品格がない。

有料のソフトドリンクを注文するならあり得るかも知れないが非常識。
DQNな若者がお店で無礼な食べ方を得意になってSNSに投稿するのに準ずるくらい恥ずかしい。

飲み屋にとって、最も利益率が高いのは飲み物だからな。
単にジョッキとかに注ぐだけだから、加工賃が掛からないし。
それを注文してくれないのは痛いと思う。

居酒屋の多くは酒ありきで料理の値段を設定している。店が明示してなくても普通はそんなの常識だけどね

否定意見の一部を抜粋

ちゃんと「必ず飲み物を注文してください」と明記すればいいのに

そんなに居酒屋で酒飲まないのが迷惑ならお断りにするか
・水 500円
とでも書けばいいのでは?

近所には飯だけでも歓迎、って居酒屋も多いから、そこら辺の意志表示を明確にしてくれればこっちも従うんだけどね。
空気とかマナーだけでは分からん事も多いんで。

マナー肯定派の意見が多数?

筆者が確認した限りではマナー肯定派の意見が多数な印象でしたが、マナー否定派の意見も筋の通った主張だと思います。

ドリンクオーダーを義務化していない店や食事だけでも歓迎というお店も存在するので、ドリンクオーダーの義務付けがされていない場合に「察する」ことを求められるのは理不尽に感じることもあるでしょう。

マナーの強要には疑問

筆者としては「誰でもわかるように明示すること」が平和的な解決策だと考えます。

完全会員制のお店であればともかく、どこの誰が入ってくるかわからない営業形態において暗黙のルールを皆に守らせるのは至難の技でしょう。
当事者間の意思疎通が正しくおこなわれているか否かが問題であり、お店の意思表示がおこなわれていない状態では意に反する相手が現れても不自然ではありません。

法律で定めることが難しい、あるいは適さない事柄についてはモラルやマナーが重要となる場合もありますが、飲食店のサービスは法律で解決可能な問題です。
ルールに定めるか、お客それぞれの判断に委ねるか、それを選ぶことができるのはお店自身です。

「デザイン重視のため明示的に縛りたくない。察してほしい」といったお店側の主張も見受けられました。
各々事情があるのは理解できますが、契約上の義務を与えることができるのにあえてそれをしない判断をお店がしているわけで、堂々とお客を批難できる立場には無いと思いました。

まあ、面と向かって批難できないからこそ、SNS等で愚痴が吐き出されているのかも知れませんね(;’∀’)

水で乾杯は「今生の別れ」

「水で乾杯」は注文に関する話だけでなく、別の部分も指摘されていました。

みず‐さかずき〔みづさかづき〕【水杯/水×盃】 の解説

二度と会えないかもしれない別れのときなどに、互いに杯に水を入れて飲み交わすこと。「―を交わして出陣する」
goo辞書

どうやら日本においてはこのような意味合いがあるそうです。
死地に赴く兵士が水杯を交わしたりするそうですが……いわゆるブラック企業勤めだったりしたら……あながち間違いとは言えないかもしれませんね(‘ω’)

白岩 大樹 長屋 大輔 上田 逸平
同文舘出版
売り上げランキング: 40,840